素敵な日本人|東野圭吾

今回は三月末に発売された東野圭吾さんが書いた短編小説『素敵な日本人』について取り上げます。

概要

短編集が詰まった一冊です。全部で9話でした。
それくらいの量が一冊に盛り込まれていました。
買った本の帯には「寝る前に1話読む!」的なことが書いてあって、気軽さや本に対するハードルの低さなんかがあった気がします。

1番面白い短編集の紹介

特に印象になった作品は「レンタルベビー」です。
内容としては、男女の関係とSF的な2つの内容を8対2くらいでつめた作品です。
私の勉強不足かこういう作品も書く人なんだって思いました。
というのは割とありがちな作品だったためです。だけどオリジナリティがある。
むしろこのような作品が起点となっていつもの理屈を後付けにしているのかな。なんて考えました。
どの作品も長編にしようとすればこの人はできるのかななんて考えにも至りました。
なので印象的な作品ナンバーワンです。『レンタルベビー』

短編小説『素敵な日本人』の総評

内容としては、どれも面白かったです。!
3話目からは一気読みでした。
ストーリー展開は相変わらず面白いです。!
毎回思うのは、物語の流れと文章表現の調和が絶妙なので読みやすいと思います。


『素敵な日本人』はいつものミステリーとは若干違って、主人公や登場人物の心情の「変化」が大きくあるのが印象的でした。
なので人はそんなに死ななかった記憶があります。
というかかなりやんわりした優しい作品ばかりでした。
最初に『素敵な日本人』というタイトルを見て、皮肉の意味が込められているのかな?と勝手に思っていました。
しかし、実際には最適なタイトルだと思い、その言葉の意味そのものの作品として仕上がっていると思います。
その理由として、前述した登場人物の「変化」が挙げられます。

変化のための材料として他者からの干渉や影響などがあり、その多様性を持った部分を「素敵」という表現にしておられるのではないのかと勝手に思いました。。

「夢幻花」「麒麟の翼」などの作品とは違って、誰かに何か言われたのか!?
という展開があったため、もしかしたら大衆向けな東野作品になったのかと分析しました。
読みごたえというよりもやんわりと知ってもらう感じです。

なんにせよ新たな一面があり面白かったです。!

また4月24日より「容疑者Xの献身」などの一部の作品がkindleでも見れるようになるようです。

東野さん、個人的には紙の方がいいんだよなぁ。